2014.01.06 その他

社長年頭挨拶(社員向け挨拶要旨)

社長 磯部 正人
  本年の当社を取り巻く経済環境については、昨年に引き続き、海外経済の下振れ懸念はあるものの、政府による各種経済対策の効果もあり、回復基調が続くものと考えられます。また海外に関しては、ASEAN諸国の経済も、種々問題を抱えながらも、内需拡大は引き続き堅調に推移すると予想されます。
  一方、需要拡大による施工労働力の不足や諸材料コストの上昇、消費税率引き上げ後の景気後退懸念、また、受注獲得競争はこれまでと同様、厳しい状況が続くと予想され、当社グループを取り巻く環境は楽観視できるものではありません。

  このような環境においても、当社グループが進むべき道は、Vision15重点施策の「経営基盤の強化」「市場変化への対応」における各課題を着実に進めるとともに、現在の市場変化への対応だけでなく、将来を見据えた課題にいち早く取り組むことが重要と考えます。

  そこで、次に挙げる3つの課題に取り組むことを皆さんに要望いたします。

(1)安全・品質、コンプライアンスの再徹底
  安全・品質の確保は、事業経営の全ての基本であり、「Quality No.1」を目標に掲げる当社グループにとって最優先課題です。
  しかしながら、昨年も作業の基本や決められたルールが徹底されておらず、一人ひとりの安全意識の低下、気の緩みにより事故・クレームが発生しました。今一度全員が原点に戻り、プロとしての自覚をもち、緊張感を持って職務を遂行するようお願いいたします。
  また、ミス・エラーを撲滅し、利益の喪失を排除しなければなりません。組織として変化点を見逃さない管理体制を構築し、逸失利益0を達成していただきたいと思います。
  取り組みを強化する上で当然のことですが、経営幹部の考えが現場の第一線まで届き、また現場の声が部門長や経営幹部に届くよう、コミュニケーションを密に図ることを常に意識して下さい。

  コンプライアンスに関しては、昨年末、独占禁止法に違反する行為があったとして、公正取引委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。法令遵守・企業倫理の維持は、経営の根幹を成すものであり、企業存続の絶対的基盤です。今回の事態を厳粛且つ真摯に受け止め、社会や客先からの信用回復に向け、グループ全体で取り組むとともに、各職場においても、改めて取り組みの徹底・強化に努めて下さい。

(2)組織の垣根を超えた連携の強化
  昨年は、環境事業、特にメガソーラー案件対応においては、事業部の枠を超えた協業体制を実践してきました。また活況な海外事業に迅速に対応するために、部門、会社の枠を超えた人員の機動的配置も実践してきました。本年も市場環境に柔軟に対応できるよう、連携を更に強化していかなければなりません。

  総合設備工事を掲げる当社としては、専門性を担っている各部門の力を結集し、提案力を高め、顧客満足度を向上することが、変化の激しい市場環境に柔軟に対応する手段の一つであると考えております。メガソーラー案件での連携は、まさにこの考えを実践し、結果に結びついたものだと考えております。
  また、他の部門との連携を強化することで、これまで取り組めていなかった分野へと事業領域が発展、拡大するチャンスも生まれます。

(3)Vision15各課題の着実な進捗と、将来を見据えた課題への対応
  2012年度よりスタートしたVision15ですが、目標である経常利益率6%以上を継続していくためには、「経営基盤の強化」「市場変化への対応」に掲げている課題を着実に推進しなければなりません。
  更に、Vision15に留まらず、その先を見据えた課題に早期に取り組んでいかなければ、強靭且つ成長する企業体質を維持することはできません。

  今後の市場動向を見据えると、景気回復に伴う建設需要増に向けて、施工体制の整備や想定されるコスト増への対応が必要です。エネルギー分野では、太陽光はじめ環境、蓄電、省エネ等への展開、情報通信分野においては、拡大するスマートフォン等によるモバイル通信分野への対応、ASEAN市場での施工力・競争力強化と新市場対策など、グループ全体で検討・実践していかなければなりません。
  各部門、各社ともこのような市場動向の変化をいち早く情報収集し、迅速且つ適切な対応をお願いします。

  本年はVision15の折り返しの年となりますが、業績面に関しては、これまでの皆さんの真摯な努力による成果に自信を持った上で、反省すべき点は謙虚に反省し、慢心せず、着実に、ここに述べた課題に取り組めば、当社グループの経営基盤はより強固なものとなり、更なる発展を遂げることができるものと確信しております。グループ社員全員が為すべき職責を着実に果たし、“社会から信頼されるプロ集団になる”よう一歩一歩進んでいきたいと考えます。