2016.01.05 その他

社長年頭挨拶(社員向け挨拶要旨)

社長 磯部 正人
  本年の日本経済は前年度に引続きアベノミクス経済対策により雇用・所得環境の改善、また、年度後半には2017年4月に予定されている消費増税により個人消費や住宅投資の駆け込み需要の影響も加わり、緩やかな回復が続く見通しであります。
  建設市場は、本格化する東京オリンピック関連投資、円安基調の継続による製造業の国内回帰、訪日外国人の増大によるインバウンド投資が期待されますが、一方、施工労働力不足や建設コストの上昇懸念があります。また、海外においては、中国経済の減速や政情不安、米国の利上げによる悪影響など当社グループが進出している中国及びASEAN諸国経済を取巻く環境は厳しく、回復テンポは緩やかなものに留まることが考えられます。
  このような先行きが不透明な状況下、本年は中期経営計画Vision15の仕上げの年となります。
  Vision15は「Quality No.1を目指し、進化する企業を創造しよう!」をスローガンに2012年にスタートしました。
  4年前に掲げた数値目標の連結経常利益80億円 経常利益率6%以上は2012年度より2014年度まで連続して達成し、また、今年度におきましても経常利益100億円 経常利益率6.7%以上を確保すべく進めておりますが、環境が悪化している部門もあり楽観を許しません。全員が立場々での職責を果たし、目標を達成するようお願いいたします。
  重点施策に掲げた「経営基盤の強化」と「市場変化への対応」について多項目に亘り着実に取組んでまいりましたが、安全品質・コンプライアンスなどでは未だに多くの課題を残しています。各種重点施策については、Vision15の完了と共に終了するものでなく、全て次期中期経営計画に引き継がれていくことになります。更なる質の向上への飽くなき追求を組織・全社を挙げて引き続き取組んでいただきたいと考えております。
  本年は、Vision15の目標達成と共に次に挙げる2つの課題について、全社員が真剣に取組むことを要望いたします。

(1)安全・品質の徹底、コンプライアンスの再確認
  安全・品質の確保は、常に申し上げている通り事業経営の全ての基本であり最優先の課題です。
  「無事故・無災害、品質クレーム・交通事故“ゼロ”への挑戦」を2015年度の方針とし、ルールの厳守と確認の徹底を様々な機会を通じお願いしてきましたが、依然として目標達成には至っておりません。
  今一度気を引き締め直し、安全・品質の確保に真摯に取組むことが必要です。
  全員がプロとしての自覚を持って職務を遂行し、今年こそ「無事故・無災害、品質クレーム・交通事故“ゼロ”」を達成させようではありませんか。
  また、コンプライアンスに関しても不適切な事案などが発生しており、強い危機感を覚えています。社員一人ひとりが気を緩めることなく法令や企業倫理に基づき誠実に行動することを要請いたします。

(2)総合力の発揮
  来る東京オリンピックに向けた建設需要の拡大や主に東京を中心とした首都圏再開発、環境・エネルギー政策や電力システム改革・ICT(情報提供技術)など当社を取巻く市場構造は大きく変化しています。この多岐に亘る市場の変化とニーズをチャンスと捉えて応えるためには、各事業部国内外関係会社間、当社と取引会社、或いは当社と住友電工グループとの連携強化や部門間、会社の枠を超えた人員の機動的配置などの総合力を発揮しなければなりません。
  既存の組織の枠に捕らわれることなく、総合エンジニアリング企業としてオール住友電設グループで対応することで当社の事業領域が発展・拡大することを期待します。

  当社グループが事業活動を推進する上で根幹となる「当社グループ企業理念」の冒頭に「社会的使命と責任を認識し」と言う文言を加え、更に既存の企業理念3項目に「高い企業倫理に則り、コンプライアンスに基づいた公正で透明性のある経営を推進します。」という新たな一文を加えることとしました。今回見直す背景は、2000年に制定しました企業理念は現在および将来においても当社の企業としての価値観を十分伝えるものでありますが、コンプライアンスの推進や公正で透明性のあるコーポレートガバナンスが厳しく求められる時代の要請に応えるべく、会社としての姿勢を改めて明確にするものであります。
  皆さん一人ひとりが当社グループの一員として社会的責任を十分理解し、日々の業務に真剣に取り組んでいただきたいと思います。